Google.org では、特に大きな効果が期待できる分野を中心に支援を行っています。

Youth Business International では、機会に恵まれない起業家たちのビジネスの立ち上げ、成長、継続の支援を通じ、雇用の創出、コミュニティの構築、人々の生活の向上に貢献しています。

Google.org では、COVID-19（新型コロナウイルス感染症）対応の一環として Youth Business International に 500 万ドルの資金を提供し、欧州、中東、アフリカ、アジア太平洋地域の 31 の国で支援を必要とする小規模ビジネスに資金が行き渡るようにしています。

GiveDirectly は、支援が行き届かないコミュニティや、COVID-19（新型コロナウイルス感染症）などの災害の影響を受けているコミュニティを、現金を直接給付するという方法で支援しています。現金の直接給付なら、現物による寄付と違い、人々が本当に必要としていることに柔軟にお金を回すことができます。Google.org では 2012 年以降、資金を必要とする人々を支援したり、GiveDirectly の画期的な手法の影響を調査したりするため、GiveDirectly に 1,000 万ドルを超える資金を提供してきました。

数十年にわたる実験で立証されているとおり、現金給付は持続的な効果が期待でき、地域経済の活性化にもつながります。

Google IT サポート プロフェッショナル認定は、IT サポート担当者の研修用オンライン プログラムです。初めて学ぶ人が、8～12 か月でエントリー レベルの IT サポート担当者として活躍できるように設計されています。

Google.org では、「デジタルスキルの障壁を取り除く」という Grow with Google の使命を支援するため、Year Up、Merit America、Per Scholas、Goodwill、United Service Organization、Upwardly Global などの非営利団体を通じ、支援が行き届いていないコミュニティを中心に、必要に応じた額の奨学金を提供しています。

洪水は、あらゆる自然災害の中で最も危険な災害です。洪水を予測して早期に警告できるシステムがあれば、個人だけでなく関係当局も備えを固め、目前に迫る洪水から人々を守ることができます。Google の洪水予測イニシアティブでは、AI と最新のマッピング機能を活用して洪水の進路の予測精度を高め、オンラインの SOS 機能と災害警報機能を使って詳細な警告情報を生成しています。

災害警報は、人々の命を救い生活を守ります。しかし残念なことに、インドで洪水と隣り合わせで生活する人々のほとんどは、災害警報を受け取るためのデバイスやインターネット接続を持っていません。Google.org では、SEEDS をはじめとする非営利団体を支援し、各地域において洪水への備え、早期の警告、災害対応の拡充に努めるとともに、的確な災害警報をスマートフォンにタイムリーに届けることで、1 人でも多くの命を守りたいと考えています。

コミュニティがデータから得た知見を行動につなげられるよう、Google.org は、イクレイ（ICLEI）- 持続可能な都市と地域をめざす自治体協議会 -と共同で 400 万ドル規模の基金を創設しました。当基金では、データ主導の気候変動対策に率先して取り組んでいる欧州および中南米の非営利団体や学術機関を助成、支援します。たとえば、支援先のひとつであるメキシコの非営利団体、Iniciativa Climática de México（ICM）では、国および都市レベルでの国際的な気候変動対策を促し、メキシコの低炭素成長の実現に向けて活動しています。

医療現場において、細菌感染に対して適切な抗生物質を迅速に処方できるようにすることは、患者個人にとってはもちろん、世界規模での抗生物質耐性への対応という点でも非常に重要です。こうした医療上の判断にはアンチバイオグラム（薬剤感受性検査データ）が役立ちますが、リソースが限られている地域では、このデータの解釈に必要なスキルを備えた医療従事者が不足しています。

Google AI インパクトチャレンジの助成先団体のひとつ、国境なき医師団（MSF）は、医師をはじめとする医療従事者で構成される国際的 NGO であり、COVID-19 やエボラ出血熱などの重大な感染症の救援活動を行っています。MSF では、リソースが限られている医療現場でも患者を適切に治療できるように、抗菌剤サンプルの画像をスマートフォンで瞬時に分析できる独自の画像認識アプリを導入しました。Google.org ではこの取り組みに対して 130 万ドルの資金提供を行うとともに、Google.org Fellows のチームを派遣しました。

2010 年創設の Khan Academy は、数千もの動画、記事、対話形式の演習などで、さまざまなトピックについて効果的に学習できる巨大なオンライン ライブラリへと成長しました。毎年 1 千万人以上の人々が、世界中からこのプラットフォームにアクセスして数十種類の言語で利用しています。

Khan Academy の成長に合わせて Google.org の支援も拡大してきました。これまでの支援額は 1,200 万ドルに上り、ボランティア活動やその他のリソースの提供も行っています。Khan Academy への支援として Google.org が特に力を入れてきたのが、知的ソフトウェアの開発、詳細なデータ分析、直感的なユーザー インターフェースなどを通じて、世界中の学生や教師にとってさらに有益な教材を作ることです。

Pratham Books の StoryWeaver は、読者、作者、イラストレーター、翻訳者が力を合わせ、世界中の子どもたちのために無料の物語を制作できる無料オンライン プラットフォームです。Google.org では、2013 年から Pratham Books を支援しており、400 万ドルを超える資金、Google 社員によるのべ数千時間のボランティア活動、Google Translate API をはじめとする技術ツールなどを提供してきました。そのかいあって、Pratham Books の StoryWeaver を通じて利用できる良質な物語の数が飛躍的に増えました。

Google.org では、若きリーダーたちがインターネットを安全に利用する方法やメディア リテラシーを習得するのを支援するとともに、そうした基本的スキルをすべての人が平等に学べるよう教師向けのトレーニングを提供しています。その一環として 1,000 万ドルの拠出金の一部を、Guardian Foundation が実施しているプログラム Newswise の支援に充てることにしました。Newswise では、ニュース リテラシーを備えた若い世代を育てることを目標に、英国内の教師向けにメディア リテラシーの授業プランやワークショップを提供しています。